~9/8 読書会開催記録~
本日は台風接近予想の中、4名で開催いたしました!ありがとうございます。
台風直撃間近とは思えないくらいの好天で、かつとにかく暑かったですね…🌞
読書会をやっていると、いろんな会社で働いてらっしゃる方と出会います。自分自身と似たような業種、文化の会社に勤めている人が参加されると、「それウチもあります!」「なんでそんなムダなことするんですかね~」といった具合で盛り上がることが多いですね(笑)
今回のテーマはそんな「会社員あるある」が会の話題になっていたことを踏まえ、一番盛り上がった「大企業病」の内容についてご報告いたします!
1.大企業病とは?(テーマ本:経営パワーの危機)
まず、「大企業病」という言葉は聞いたことあるけど…、、どういった定義があるのかが良く分からないという方は多いのではないでしょうか。意味を調べてみました。
大企業病とは、主に大企業にみられる非効率的な企業体制に陥っている状態のことです。一般的に大企業は経営者と社員の意思疎通が不十分になりやすく、非効率な経営が見過ごされやすいという現状があります。企業によっては、わざとフロントライン(現場)と経営層の距離を遠くし、「雲の上の存在」といったイメージを作り統制する形を取っている会社もあるくらいです。
その病名の通り、大企業に多く見られますが実際にはベンチャー企業や中小企業でも起こっています。メガベンチャーと呼ばれる組織はその筆頭です。
さらに厄介なのが、大企業病は組織だけでなく個人単位でもなることがあるため、どんな企業であっても大企業病には注意が必要となっています。やけに縦の関係を気にする上司がいるようなら、その職場はもう大企業病と思っていいと思います。
では、具体的に大企業病の症状にはどういったものがあるのでしょうか?
① 顧客ニーズよりも社内政治を重視
大企業病は、顧客ニーズよりも社内ニーズを優先するのが特徴です。
通常は企業は顧客ニーズを最優先し、顧客に寄り添った判断をすることで顧客の信頼を獲得→それが業績につながり、収益が上がるというのが基本線です。大企業の経営理念は大体、顧客の満足第一みたいな内容を掲げています。守られているかは別ですけどね(笑)。形骸化している会社も非常に多いです。
しかし、大企業病に感染した社員はもれなく社内での立場や権力を重視してしまうため、社内ニーズを優先してしまいます。その結果、顧客満足が得られず、業績ダウンにつながります。
研究データによると、社内政治を重視する企業は、そうでない企業より内部犯罪やコンプライアンス違反を犯す確率が三割程度高くなるそうです。
よくある例として、商品・サービスの新規開発が挙げられます。本来は顧客が求める商品を開発するべきなのに、社内ニーズを優先するあまり、「上司が気に入るような商品・サービス」「無難で当たりざわりのないモノ」が生まれる傾向が強くなっていきます。大企業はその巨大さゆえのブランド力で顧客をつなぎとめているケースが多いのですが、今後は本当に優れたもの以外は淘汰されていきます。iPhone発売後の携帯電話市況を見れば明らかです。この産業内での淘汰は、あらゆる業界で必ず今後起こります。
② 意思決定が遅い
これは良く言われますね。大企業病は形式、その場しのぎが大好きな傾向があります。その結果、無駄な会議や社内報告が増えることで、本質の決定にかかる決断が遅くなり、機を逃すといったことが普通に起こります。
よくある例として、稟議書があります。課長→部長と回していく日本企業あるあるのアレですね(笑)
稟議書を通さないと物事を進めることができず、稟議書を通している間にビジネスチャンスを逃してしまうケースが非常に多いです。ビジネスチャンスとまではいかなくとも、日常業務さえ停滞する場合も多いのではないでしょうか?
他にも、無駄な社内報告や定例会議も時間の無駄となり、大企業病の特徴です。
③ 失敗を避けることを重視してしまう
大企業病の特徴として、失敗を避けることを重視する傾向が挙げられます。
会社というよりは、社風、ひいては社員一人一人の個人ですね。アイデアや意見が出たとしても、失敗することで社内での立場が危うくなることを恐れてリスクを避けてしまうのがまさにそれです。その結果、無難な当たりざわりのない平凡な判断しかできず、現状維持が精一杯となり、業績は徐々に低下していきます。成果を求めるような職場にしていかなければならないのに、成果が生まれにくい環境ができてしまっているのです。
仮にベンチャーであっても、大きくなればなるほど意思決定は様々な利害関係の調整が必要になり、非常に時間がかかることは変わりありません。
④ 現状維持を優先するあまり、世の中の流れについていけない
大企業病になると、世の中についていけないのも特徴の1つです。
特に今上の方にいる人ほど、大企業病の職場では現状維持を優先してしまい、時代の流れをつかむことができず、世の中の流れについていけなくなくなり、気づかないうちに衰退して消えていきます。
2.大企業病を払拭する方法と成功例について
大企業病を脱する糸口として注目されているのが、「事業別のチーム作り」です。
多くの大企業は、「企画部」「総務部」「人事部」といったように、部署単位で分けられているパターンが多いのではないでしょうか。しかしこのようにセグメントごとに分かれた組織というのは、他の部署が何をしていて、どんな目標に向かって動いているのかということが見えにくくなっています。自分の部署を回すだけに執着し、他部署との協力関係が生まれにくいのもこういった組織形態が原因の多くを占めています。要するに「他人事」な組織になってしまうわけです。
逆に、事業別のチームというのは、分かりやすい例でいうと、1つの商品、サービス、事業につき、それぞれの専門部署から人をピックアップし、チームを作るということです。全く違う分野の人間同士が集まり、成果を追求するというスタイルです。自分の専門分野は自分が責任を持つ形になるため、社員の本気度も変わり、パフォーマンスが上昇するというデータもあります。完全に事業別にすることは難しくとも、それに近い取り組みをしているのがかの有名な「パナソニック」です。
パナソニックは数多くの事業部を持つ巨大組織ですが、大企業病防止のために、「多様性」を重要視しています。
組織や部門を横断し、社員同士の交流を行う若手中心の交流団体「One Panasonic」という取り組みがその一環です。
この団体は、ボトムアップで大企業病を防ごうという流れからスタートしています。
「全体交流会」「テーマ別交流会」を開催することで、多様性を重視する文化作りを行なっているのです。
全体交流会には100~200人程度の社員が集まり、社長など経営幹部や外部講師を呼んで講演会を行っています。また最後の質疑応答では全くセグメントの異なる社員同士が自由に話し合えるような雰囲気作りが徹底されていると言います。
社内分科会として、女子会や他社交流会なども実施し、社内外の同世代と交流する機会を作り、刺激しあうとともに、社外の人脈構築にも会社が手を差し伸べる体制ができているのです。
また、メーカーらしく、「モノ博」という自社商品の博覧会を開催しており、普段事業が異なるが故に全く関わりのない社員同士がコミュニケーションができ、モチベーションの向上にもつながっています。
いかがでしたでしょうか!?ビジネスマンの参加者が多い神保町読書会ならではの少し意識の高めのテーマで今回は盛り上がりました。特に若手の頃は、現状の会社の体制に疑問を感じていたりする方も多いのではないでしょうか。
社外の繋がりは大切であるといった内容もある通り、普段関わらないような仕事をしている人たちと積極的にコミュニケーションを取ることは、思っている以上に自分の刺激になりますし、何より勉強になります。自分の世界観がいかに狭いか?ということを知るきっかけにもなると思います。
当読書会はサラリーマン、事業家、フリーター問わず様々なバックグラウンドの方が参加されるので、現状がマンネリ化してきた・・・という方はぜひ一度参加してみて下さいね!